ラブソング
恋月 ぴの

ラブとラブのあいだに愛がある

なんだかそんな気がしてね
久しぶりに歩いてみた渋谷の街は
良い意味での乱雑さを失いつつあるようで
道玄坂下から円山町
色褪せたラブホの佇まいは老娼の厚化粧にさえ見えてしまう

真実と真実のあいだに嘘がある

なにげにそんな言い訳大好きで
妊娠しちゃったかも
見えすいた嘘で愛の深さを測りつつ

ポエジィとポエジィのあいだに言葉があるのだから
傷つけて
傷つけ合って
それでもふたり寄り添えば
どこそで拾ってきた指輪であっても嬉しいもので

ラブとラブのあいだに愛がある

なんだかそんな気がしてね
自分だけは違うんだと叫びたくても
時間とお金に縛られているのには違いなくて
宮下公園はいつの間にかNIKEパークと呼ばれてた

言葉の持つ力に寄りかかっちゃいけないよ
それだからこそのポエジィってこともあり得そうだけど

明治通りを辿れば原宿駅は程近い

ほんの僅かな秋の気配を見出しては自らに言い聞かせる
これもいわゆる人生ってやつなんだから

サイズ違いの指輪でも感謝を込めて残暑厳しい青空にかざした



自由詩 ラブソング Copyright 恋月 ぴの 2010-08-23 19:19:06
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