太陽と月の話
三奈


この命に何を求めるの?
光なんて望まないで

空っぽになった 言葉の引き出し

錆びたシャベルで庭を掘った 
探していたのは君へのプレゼント
いつしか足の踏み場はなくなって
真っ逆さまに落ちた暗い穴

「どうしよう、帰れないや」

そこで出会った旅行中のもぐらに
君への贈り物を託したよ

温かい言葉が詰まった 橙色の綺麗な小石
世界中の誰よりも 君に似合うと思うんだ 


この命に何を求めるの?
光なんて望まないで

太陽より明るいものはないのだから

だけどもし君が疲れて 穏やかな闇を望む時は
僕の名前を呼んでほしい

それまでに逃げてしまった言葉達を
呼びもどしておくからさ

次のプレゼントは決まっているんだ
光り輝く 琥珀色の小石

シャベルを片手に探しにいくよ
逃げ出した言葉達が詰まったその小石

君は喜んでくれるかな?








自由詩 太陽と月の話 Copyright 三奈 2010-08-22 16:49:46
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