朝焼けの葬送
真山義一郎



あの日、あなたは逝ってしまったと
聞いた
ぼくはドーン・グロウの朝焼けを
小さな宝石にして
ポケットにしまった

憎しみは残り続けるかもしれない
しかし、憎しみとはなんと
陳腐なものなんだろう
いまだに
赤子のままで

今、一瞬だけの
朝焼け
新聞配達の少年が
自転車で駆けていく
君はどんな夢を見ている?

すだれに朝顔
鮮やかな紫色
木の香り

灰色の猫は伸びをして
また、丸まって眠る
日陰を選んで

今年の夏
朝焼けの宝石
一瞬のきらめき
一瞬だけのきらめき








自由詩 朝焼けの葬送 Copyright 真山義一郎 2010-08-21 10:36:12縦
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