「イエス」と「ノー」と「たぶん」
都志雄

泣きながら便所駆け来る男子いて一枚へだてその嗚咽聞く

歳だけは取りたくないが口癖の老婆の霊が座る終電

急死した男の棺運ばれるテニスコートの脇の葬儀所

河口まで入道雲を追いかけた「イエス」と「ノ―」と「たぶん」抱えて

鹿島灘と霞ヶ浦がつながってたころのお話でしょそれは

独り寝の輪舞ロンドの夢に堕ちた蝉の羽音はかなし夏の行方に








短歌 「イエス」と「ノー」と「たぶん」 Copyright 都志雄 2010-08-16 20:06:00縦
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