蛾の歯車
ぽこぽこへッへ

泣きながらくべる薪を
金の縁取りがされたまあるい純白の皿に盛る
荒熱をとるためにグラスに水をそそぐ
まだ細い足首で絡みつく
白いテーブルクロス
白い床
銀のナイフとフォークとスプーン
食うのは時間だ
もう、普通じゃない見え方をしているかもしれない
それに関して何を思えばいい?
無様な炎、上げながら生まれる
熱はゆっくり燃料を食べていく
燃えるかわりに燃え尽きる
地球で一番、ゆっくりとしたサイクルで繋がる種
泣きながらくべる薪を
それでも生き甲斐にすることが
果たして尊いなら
目障りな鉄塔の羅列が、生い茂る、森を肺にして
虹色の蛾のりんぷんを吸いまくる
この世で、たったひとつだけ
歯車の外を飛んでいる虹色の蛾
全て歯車で動いてるなら
動力は天辺のでかい歯車
それが宇宙誕生の何億分の1秒後かに
パッと明るみを帯びた
そしてかわいい君が生まれた
これを、運命でないと信じたい
これを、運命でないと信じたい
予定調和なんか、ひっくり返せ
その目で見たことよ、本当になれ
本当になれ
本当のことになれ


目という漢字は目の形に似ている
eyeという単語も両側のeが目でyが鼻に見える


自由詩 蛾の歯車 Copyright ぽこぽこへッへ 2010-08-09 22:13:03
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