打ちつけられて
嘉村奈緒

  緑のべ
  胸の静かな鳥、飛んでる  嘴鳴子 (呼びやる、手がさざなみだ)
  ぜんぶがぜんぶ静止画のようにただの一片を切り取った
  狭いから 気をつける  体を食べる線に 付き合う
  (もっとも、狭いからどこに行きようもないのだけど)
  気取った白いやつらにはしっぺ するんだ

  撒き方を教えてもらった覚えがない何かの種  断面図の恥ずかしい雲
   雨が降るよう「雨が降るよう(雨が降るよう
  子供の頭はマツボックリを蹴り上げたみたいな動きをする
  だから増えていって何枚もの静止画が
  ない  泣き虫だァと林立する子供がそろう  穴が開くかもしれない 胸が 静かになるのかも
         「一片、だけの静かな(遠い音 また旋風 ・もうひとつ


  待つことにする



  雨
  (終わるまで増えつづけて、グショグショと泣き出す静止画・・)
  マツボックリと子供の違いが 茎に巻かれてただの一片を切り取ったさざなみになる
  気をつけていたのに  旋風・は、折り重なって敷き詰められる
   鳴子と空車と「鳴子と空車と(線よりも図太い地平線
  林立したかさぶた共がいなくなる  狭いところから泣き虫だァ、の、声 「さざなみ(白 またひとり








  『帆をはろう
         次の風が来たら のべの地平線まで競争もしよう
         雨がたくさん集まると嵐っていうんだ





                       地を走る それに  憧れていた




 


自由詩 打ちつけられて Copyright 嘉村奈緒 2010-08-05 21:36:23
notebook Home 戻る