よるのうた
たちばなまこと

思い描く
ラブソング
想像する
重さ

月夜に蝉の終わりの羽音
打ち上げ花火の余韻
声を殺して泣く
身体感覚とたましいが
握手する

風が
薄いカーテンをふくらませ
暗色のグラデーション
熱を冷ます
推測の域

北のストロボ
雲間がオレンジに割れて
私のなかにも似た
電流を幾たびも流してゆく

領域に
名前が繰り返される
飲み干した水と
抱きしめられてしまえば
次々とつぼみが開く
そのあり方が
愚かではないことを
祈っている


自由詩 よるのうた Copyright たちばなまこと 2010-07-27 20:43:26
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