夕日が見える
たまご

山と田んぼを切り裂いた直線道路
東から西へ進行している
開通したばかりの道路を
わき目もふらず
流れに沿った大勢に混じって
移動している

大きく夕日が見える
はるか遠くへ けれど近くのように
ポッカリ大きな目的地のように
夕日が目に飛び込んでくる

少し横を見れば
積み木細工の家々が
カラリと並んでいる
その上は大きな空で繋がっている

横から後ろは天体ショーへと続く前奏の
夏の終わりの焼き付く思い出
夢のように美しい色彩
ピンク オレンジ 紫・・・
まるで空の美しさを表す為に
絵の具が作られたように
東側の空は雲さえも彩られていた

目的地はどこだろう
何故急がなければならないのだろう
私たちは何に向かって急ごうとしているのだろう
流れに沿っていた一台の車は
速度を
緩め
始めた


夕日が見える
赤く大きな哀愁だ
来し方を振り向けば
まぶしく感動的な風景だ

路肩に小さな花が
ほっとするように咲いていた


自由詩 夕日が見える Copyright たまご 2004-10-13 22:43:45
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