ある、ひとりの、画家
番田 


何でもない言葉で
夕暮れを 記そうとしても
日の出なのだろう
瞳は 認知している
朝の 逆側に

朝の内部に
立ち止まっているのは 川だ
ぞうきんの反射は 空に近い
コウモリは 海面にいて
岩石は 林の中を漂っている

純白の大地に
赤色のありかを見つけた
柱には 金魚が眠る
六本木には 淀んでいるけれど
田園調布では よく見える

泡が空気中を 遊泳するのなら
体は どこに解体するのだろう
皮に 未来はない
拳を逆三角形にする
指を印にしている



自由詩 ある、ひとりの、画家 Copyright 番田  2010-07-18 02:33:01
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