名の無い死
こしごえ

そら
おそろしい
しずけさ
ふくらむ
むねに
雷霆ひびき冴えかえる

たれこめて
いずれふって来る
私の上に

見つめあえる
傘は
無用であります
そういったものは
それっきりで
はらりはらりと
濡れるままで
いい
そのうち
しめったにおいの
地下への階段の
すべやかにつやつやとした
石に足音をのこし
みずからを葬送する

青い空が
こいしい
とうめく
たどりつくことの出来なかった

それでも(ひかれ
あっているの
歩むしかない
時にはふりかえり
ゆびさすほうを
ここにおいて






自由詩 名の無い死 Copyright こしごえ 2010-07-15 14:27:09
notebook Home 戻る