道なひと
恋月 ぴの

ダイエット目的にはじめたジョギングだったはずなのに
夢はホノルルマラソンなんて張り切っている

フルマラソンって42.195kmも走るんだよね

あの子の精神構造ってどうなっているんだろう

単に楽しんでいるだけじゃ満足できなくて
そのうち険しさとか求めるようになる
やしの木陰で日がな一日のんびり過ごすって訳にはいかなくて

これが道ってことなのかな

剣道とか柔道とかの道であったり
人里離れた山奥にも道はある

道無き道を…てなことばもあったような

「道」
高橋選手の銀メダルも道だった

置き去りにされたヒロインの悲哀と
今日をそして明日を生きざるを得ない人々の思い

総ての道はローマに通じるのだから

足の不自由な女の子がよっぱらいの吐しゃ物に足を取られ
汚物まみれで呆然としてた背中に声もかけられず通り過ぎてしまった

あの日あの時がいつまでも忘れられなくて

せめてもとつづりはじめた拙さに
それゆえの道であるのかと
道端で揺れる向日葵の愚直なまでの眩しさ仰いでみた






自由詩 道なひと Copyright 恋月 ぴの 2010-07-12 19:59:02縦
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