天の川
itukamitaniji

天の川

この川は誰かの涙 止め処なく流れる悲しみ
水面に浮かぶ星屑は 叶わず散った誰かの願い

掬おうしても 手の隙間から逃げてゆくの


彼方の君の笑顔さえ 思い出せそうな綺麗な夜には
心の痛みを歌にして 遠い空へ向けて巻き散らした

船を漕ぐ 向こう岸まで

きっときっと 渡り切ってみせると
約束交わして 過ぎ去った日々
絶えず絶えず 僕は君を目指して
暗闇を泳ぐ 流れ星


この雨は君の涙 止まずに降り続く悲しみ
雲間に隠れた星屑は 叶わず散った僕の願い

強い風が吹いて 壊れてしまった僕の船

ずっとずっと 進んできたけれど
約束残して 消え去った光
いつか叶えと 強く願ってきたのに
向こう岸は 遥か遠く


悲しみは冷たく 沈まぬように水を掻く

それでもそれでも もがき続けるのだ
願いに底は無い 天の川よ
どうかどうか この思いだけでも
君の町に 降り注ぐ星となれ


自由詩 天の川 Copyright itukamitaniji 2010-07-11 22:09:33縦
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