クラウン
三奈

悲しき道化師の夢を見た

がらんどうに流れる残響
琥珀色の朝日

笑顔の仮面は外れることなく
重い鎧をつけたまま

笑いながら、泣いていた
笑いながら、怒っていた
笑いながら、哀れんで
笑いながら、死んでゆく


悲しき道化師の夢を見た


似た者同士の、私と彼
無惨なクラウン
暗闇ピエロ

二人の違いはささいなもの

涙の味
笑う喜び
輝く言葉

それらを少しだけ知っていた

ただ、それだけのこと

最後に映ったのは
箒星が描くシュプール


目覚めて感じた
鼓動と温もり

きっと今の私を
つなぎ止めているのは

ずっと、捨てられない
この温もりなのだろう


自由詩 クラウン Copyright 三奈 2010-07-11 19:45:04
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