3つの選択肢しか神は与えない
こめ

奇跡は遠くなる

この殺伐とした風景のなか

干からびたカエルは何を思うか

ヒロインを決める為に行われたバトルロワイヤルは

誰独りとして生き残ることができなかったそうだ

恋愛がしたいそんなことを考えては

現実を直視して嘆く

そっちどっちあっちこっち

左右上下に動かされる僕は

値引きコーナーにおかれている

超合金のロボットみたいだ

ちょっと前までは

ショウウィンドウから

子供が僕を欲しいと母親に泣きすがって要るのを

見下していたが

今は狭い角から見える景色を眺めることしかできない

子供ほど残虐な物はいない

興味が薄めればすぐに新しいオモチャに乗り換える

そうして僕は埃を被り押し入れの奥底に収容される

そうなったもの達が歩む道は

残りは捨てるか売るか譲るかの

3つの選択肢しか神は与えない

まるで人生をかけたジャンケンのようだ

そうぼやき相手がどれを出すのか考えて

僕は最初はグーと呟いたのであった




自由詩 3つの選択肢しか神は与えない Copyright こめ 2010-07-05 01:00:07
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