初秋
ロリータ℃。



青空が誘う言葉
あなたやあたしが紡いでも
恥じらうように消えるだけさ


彼が囁く言葉にそれでも
私は季節を信じない
だからそこに誰がいても
泣こうなどとは思わない


知っているのだ
二人の行く末はそう
退廃に似ている
例え別れてしまっても


ほら
誂えたような夕暮れはとうに
沈んでしまったよ
期待してても



あなたがそこで手招きするなら
無垢な童女の振りで笑ってみようか
季節など厭わないと
柔らかな指で絞殺して頂戴な



太股に垂れた透明なエナメル
それは彼の唾液とよく似ていて
掬って舐めたら今度こそ
私は絶えるのだろうか


ほら言葉消えていく
間違うのなら今のうちだよ

甘えることに飢えた肌も
今のうちなら満たされるだろう


ゆっくりと毒を飲み干し
最期の力でほら私を


細く長い指でどうか




(早く逃がして)




青空凍る前に










自由詩 初秋 Copyright ロリータ℃。 2010-07-04 03:22:31
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