手のひらの中の午後
ベンジャミン

陽だまりの光をあつめて
手のひらですくうようにしたら
伝わってくる温もりが
静かにあふれていた

あなたはいつも
そんな仕草を当たり前のように
僕に見せてくれる
見えないものを見えるようにして
僕に教えてくれる

僕はいつも
あなたから教わってばかり
このあいだは流れるように揺れる髪で
自由な風とたわむれることを
つま先でステップを刻んで
足もとにいる小さな命を
僕に教えてくれた

あなたには
そんなつもりはないのかもしれない

けれど
今もそう

あなたの手のひらにとどまる
小さな時間の中で

普段は知ることの出来ない午後を
僕は眩しく感じている


自由詩 手のひらの中の午後 Copyright ベンジャミン 2010-07-03 23:02:30縦
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