手
ミサイル・クーパー
灰色の石ころと
黒い土の上に
色鮮やかな黄緑色の落ち葉
鮮やかさの下にある
黒や灰色
ではない
そこにあるのは
鮮やかな
黒と
灰色と
黄緑色だ
誰に問うでもなく
何を問うでもなく
それでいて強く思う
雨が降り
風が吹き
時が流れ
ただ自然の中で
そこに位置しているものたち
明日になれば
黄緑色の葉はもう
ここにはないのかもしれない
また
雨が降り
風が吹き
自然の中で
あるいは
誰かのかかとに引きずられ
そして僕も
明日の今頃は
このことを忘れているのかもしれない
悲しくもなく
美しくもなく
ただ何でもない場面
テーブルの上に置いた僕の手に
何も言わずに重ねた君の手
部屋の中には
雨も風も無かった