ねむれたか あさまで
たりぽん(大理 奔)


ベットソファ
枕元のくずかごに
ティッシュを捨ててしまったので
熱射病気味のわたしは
ひと晩中、このかおりの
林をさまよう夢の中でした

不器用に明るい下草を踏みしめると
やわらかく沈み込む
五本の指が露に湿って
はじめて、午前五時四十三分のそらの
あの明るさだと気付くのです

コンビニのおにぎり棚は
捨ててしまった本棚のように空っぽで
満たすものは冷たく凍りつき
電気仕掛けのあしたが
今日と変換されます

靴底を張り替えた
それでも履き慣れた靴で
バス停に立つと
誰かの吸い殻を
つま先で蹴飛ばすのです

そろそろ不機嫌に
迎えに来るのでしょう




自由詩 ねむれたか あさまで Copyright たりぽん(大理 奔) 2010-07-01 23:17:19
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