創書日和【雨】距離
大村 浩一


地下鉄の窓に
乳母車の娘の顔が
蛍光灯に照らされてぼんやり映る
背景はグレーの壁で
配管が横殴りの雨のように流れる
全体が切れかかったTVのような眺めだ
帰れなくなった宇宙飛行士が
「最後に家族の様子を中継してくれ」と頼んで
娘の顔を見ている
そんな物語を想像してみる


2010/6/28
大村浩一


自由詩 創書日和【雨】距離 Copyright 大村 浩一 2010-06-29 17:43:37
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創書日和。