ミルククラウン
テシノ

一粒の滴りを待つ
張りつめた液体の緊張感
揺すられてこぼしたくない
あと一滴であふれ出したい

風のにおいを嗅ぎ分けて水辺を目指す獣
求めるものは
水ではなく
ただ己が
命である事
だとするなら
この指のわずかな震えも死力を尽くす命

空と土の隙間を埋める密度
ただそれだけでしかない肉体を
どこへ運ぶか決めるのは風ではない
次の一滴を待ちながら
今にもあふれ出しそうな
この


自由詩 ミルククラウン Copyright テシノ 2010-06-26 18:54:27
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