空色の損、ソーダ水 2
あおば

                 100602




なにかを感じるような気がする
姉と会ったのは一度だけ
30歳も年が違うのだから
お母さんのお友だちかと思った
それ以来、家族の範囲を外れていたら
昨日、友達に叱られた
家族が
同胞が
どこにも見えないと
嘆くのだ
友達は一人っ子で
両親も居ない
家族に憧れ
赤土の地層を掘って
今でも
竪穴式住居跡を探してる

不規則に
柱の跡が残っている
ちゃぶ台があったところには
誰かの足跡が付いていて
少しだけ凹んでいるような気がする

背後から
空色の作業開始を唆す声がして
小屋の中もいつの間にか蒸してきた
6月になると
山の中だけど少し暑くなる
自家製のソーダ水を飲み終えて
120号キャンバスに下塗りをする







「poenique」の「即興ゴルコンダ」投稿作。タイトルは、FUJISUZUKOさん。



自由詩 空色の損、ソーダ水 2 Copyright あおば 2010-06-02 00:38:33
notebook Home 戻る  過去 未来