シンクロナイズ
ガリアーノ

ふだん無機質なくろい眼をしておきながら
いまそんな風に悲しみを滲ませるだなんて卑怯だ

いくら透明のレンズ越し、光が落下する先の感情
外したって無駄だよ
どうせきみに見えるものは変わらない
きみの、茫漠とした世界の果てのような眼
たぶんきみのその眼は水晶みたいなものなんだ
きみ自身には何を映しているのかわからなくて
覗き込むこちら側にだけ、そこに映る際限のないものが見える

黒く柔く果てしない
光とも闇ともつかず、ただ「無」であるような
陰でも陽でもなく、ただ「混沌」であるような
見出して掴むことができるものは、何一つないような

魂を分け合えるのは、どっち?


自由詩 シンクロナイズ Copyright ガリアーノ 2010-05-31 12:22:41
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