寝床
蒼木りん
わたしが寝床で猫と眠っているころ
キミは夜光虫で
山在り海在り仕事をして
朝になるころ
街灯も消えて
携帯の点滅も消えて
わたしが現れるのを
帰りの車の中で待っている
キミとわたしは
キスもしなければ
手も触れない
磁石のSとS
NとNのように
運命が
瞬時にふたりを引き離すから
もし
無理やりくっつけたら
ドーナツてしまうだろう
くっつけたものが
壊れてしまうんだろう
狂ってしまうんだろう
キミとわたしは
壊れたり狂ったりしないために
今日もそれぞれ
寝床にもぐりこむんだろう
自由詩
寝床
Copyright
蒼木りん
2010-05-30 21:33:43