柊と鳥
瑠王

私がまだモクセイ科モクセイ属の常緑小高木だった頃
女は窓に立つ鳥でした
私がまだ荊のような神聖さを保っていた頃
女は鳥をやめ風景になりました
そんな女が周期的な区分でグラデーションを繰り返す間に
私は疑問を抱いてしまったのです

やがて女は女であることをやめ
窓枠そのものになりました
だからどんなに穢れようが
どんなに棘が落ちようが
私はもう二度と
彼女を見つけることはできないでしょう


自由詩 柊と鳥 Copyright 瑠王 2010-05-28 22:50:20
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