木漏れ日カメラ
あおば

                     100525




木漏れ日が地上に撮すのは
我らが太陽
吉祥寺が叫ぶ
渋谷はその名の通り渋い顔
しかたなく新宿に向かう
途中の明治神宮の森には
カラスたちが空を占拠している
太陽は輝いているが
空が霞んでいるのか
地上の影は定かでない
カラスが口を開けて
空を呑み込む
空の光を呑み込む
霞を腹一杯吸い込んだ後で
巣作りに励むのが健気だ
山の手線のガードを潜り
新宿御苑に向かう
影は追いつけなくなり
砂漠のように見えなくなる
一瞬の旋風が弔ったので
記憶が抜けて次のテーマが
黒い小さな部屋で上映される
「時間無制限の木漏れ日の生涯」
わかっている
費用は制限されているから
今日はこれまで
明日の朝にまた見に来てください








「poenique」の「即興ゴルコンダ」投稿作。タイトルは、小川 葉さん。



自由詩 木漏れ日カメラ Copyright あおば 2010-05-27 16:43:47縦
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