淡い葦
umineko

あなたの声が聞きたい、と
私は願う
空は
雨をしのいで抜ける青

会話している
あいだ
私はからっぽ
あなたに
あなたにとどくかどうか
私は次のことばを選ぶ
あなたが
退屈しないよう

そのあと
抱き寄せられたり
服を解いたり
その無音は心地よい
だけど ね

抱き合うたびに
私の中の
何かが
薄れてしまうこと

淡い
さみしさとか報いとか
意味を成さなくなっていく

形にならない
声を潜めて
わたしは
草木になっていく

ねえ
さみしい、って
どんな気持ちだったっけ

もう長いこと
ここにいるので

当たり前になってきた




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自由詩 淡い葦 Copyright umineko 2010-05-25 10:33:27
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