男女
山中 烏流






いじわるをいわせないためには、どうしたらいいだろう







最近の話をしようとすると
思考は酷く曖昧で
断片的なものになってしまうから
こんな形をとってしまうの、ごめんなさい


そう言って笑った私の顔が
あんまりにも幼かったものだから
彼は
馴染みのホテルではなくて
昔、よく通った公園で
私を押し倒して
そのまま、繋がろうとした



***



男の人は洋服と同じです

たまにアイロンをかけたり
こまめに毛玉を取ったり
特別な日に身につけたりすれば
破れたり、皺くちゃになったりせずに
形を保っていてくれます



女の人も、実を言えば
洋服と同じです

汚れたら洗濯をして
ボタンが取れたら繕って
破れた裾は、そのまま破いて仕様にすれば
いつまでも新品であるかのように
振舞っていられます



**



ひとりで居ると
自分が分からなくなってしまうから
そこに、もうひとりを望むのは
当たり前のこと


その相手に
同じ誰かを望むのと
毎日、違う誰かを望むのは
反対のようで同じこと



*****



いいかえせないわたしを
あなたは
わらってみている


ささいなやりとりで
くずれそうになる、わたしは
きっと
さっかくをしているから
あなたには、それを
さとられてはいけない



ちがう、とひていしたことばを
かんたんにくつがえすほどの、もっとつよいことばを
いつのまにか
てにいれていた、わたしは
また

くちごもる



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意地悪にならないためには、どうしたらいいだろう








自由詩 男女 Copyright 山中 烏流 2010-05-14 03:46:29縦
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