salco

猫讃仰フェスティバル参加謹呈


ねこちゃんは
一体どこから来、どこへ去るのか。
ねこちゃん
ねこちゃん。
これがコンニチの課題である。
じつに、コンニチの課題なのであった。

我が英雄にして我等が君主、
そはねこちゃん。
例えて言うなら かの
某棒暴ボー駅1番ホーム脇の植え込みで
巨大なる広告板に立ち向かう
孤高のポスター貼り職人をものともせず
何だかその雄々しくしなやかな背を
せわしなく行きずり合う人間共の有象無象にそびやかし
黙々とまた泰然と残飯か何だかを食っていた君。
その姿は艶やかなマントを纏った
まさしく老練な帝王そのものであった。
その姿は寧ろ電車より大きく
その目的の意義は
副都心より遥かに重いとまで言えたであろう。

ねこちゃん。
その恒久神秘なナデ肩に
驚異的跳躍力と完璧な筋肉の質量比を秘め、
いかにも品の良い小さな顎の中の絶対無関心でもって
どんな骨をもクシャクシャと咀嚼していた
自分と餌食をしか映さぬエメラルド色の眼
人を小馬鹿にしたその冷淡な態度
犬とは対極の、嘲笑愚弄を込めて
羽毛の如く地を払う尾の動き
貴族の中の貴族、王の中の王、古代よりの我が憧れ
ねこちゃん
ねこちゃんよ。


自由詩Copyright salco 2010-05-09 21:50:03
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