さくら ひまわり
木立 悟







散る色と咲く色の下いのる声ゆえ無く香る翳りしずかに



ニの握手二十八の拍手たちその縮まらぬ隔たりを聴く



招ばれずにいるほど闇に近いなら招ばれるものを招ぶものは誰



軒下の冬の寝床をそのままに向日葵の扉ひらく向日葵



海はさみ樹をはさみあい向かいあう大陸のなかひとつきりの音



髪の毛の黒たなびいて分かれゆく夜と桜と向日葵の道



世界から世界が落ちたその跡にひとつの紙をふたつにして置く



散るものと咲くものの間を埋めるよに唱い舞い笑む此方と彼方

























短歌 さくら ひまわり Copyright 木立 悟 2010-05-04 10:37:45
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