つつじのために
非在の虹

つつじに朝露が降りてきみを思い出す
薔薇ではないというきみのため
野のなかにかすむ公園に
  つつじをさがしに行こう
   うすい花弁の水彩の色のような
   バイオレットペールの流れがあふれる
                    最後の公園にたどりつく
                    きみが素足であるいている
                    靴もはかず空をあるいていく
                    つつじの花びらに思いをのせて
                    春のかぜが吹いてかるい花びらが
         踊るように
        花びらのように
          きみは
        かろやかにあるき
        かろやかにきえる

        光る    波が
      葉の上を    伝わって
       あかく    はえて
       空気に    そって
       上昇し    下降し
     流れていき    流れていく

きみの  ために
つくる  あさの
ための  きみの
    うた
          
         どこか     どこかにある
     見たことのない     名も知らない
         公園に     行ってみよう

  きみにあうために 

思い出になってしまったつつじの
たくさんの
うすい花びらの
流れとともに
わずかになみだを流し
 なみだとともにたくさんの思いは流れて
  きみの足もとに流れてきみのからだを流れて

朝のつゆにぬれた
           
思いとともに


自由詩 つつじのために Copyright 非在の虹 2010-05-02 15:39:42
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