小原あき

去年から始めたガーデニング
油断すると
ぼうぼうに生えて
せっかく植えた
マリーゴールドや
ガーベラを
押し退けて
弱らせてしまう雑草
その生命力に圧倒されて
手指が痛い

雑草という名の
草はない
だけど
雑草の悲哀は
そこではない気がする
守られた花壇から
一歩はみ出した先
そこに生えた命は
薬によって
強制的に終えさせられる

綺麗な花が咲かないから
それだけで
毒を飲まされる
その悲鳴が
徐々に弱くなっていくと
皮肉なことに
選ばれし花たちは
息を吹き返す

しばらくは
色とりどりの
人間好みの庭は
また雑草に侵食される
今度はもっと強くなって

わたしの手指は
もっと痛くなる
乱暴的な生え方で
鎌を持つ手がひるむ

優しくされない
悲しみが
強固になる
意地の脂汗が
手に付いた
草の汁から
匂ってくる

こんな関係は
どこか
そこらじゅうに
蔓延している

そんな気がする






自由詩Copyright 小原あき 2010-05-02 09:29:21
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