川に落ちる。
ブライアン

川に落ちた。
ゴルフ場は光を放ち、点を消した。この世から、
あの世まで。それでも闇は、この世からあの世までを溶け合わせる。
触れる、ゴルフ場の光。
飛んでこない、ゴルフボール。
びゅん、びゅん、と。

道を走る車は、貴重だ。
ライトが闇を切り裂き、溶解した世界をこの世のものにする。
奪還せよ、とイスラエルがいう。
嘘偽りない、とでも?

川に落ちて、体がぬれた。
びしょ、びゅしょ、と。
甲虫が草木をかさかさと飛び回る。
本当は、山猫だったり。

気がついたときには大体が手遅れ。
足は川の上、宙に舞う。
奪還せよ、と。
この世とあの世が一つだ。
ミサイルが足元を掬う。

へい!と声をかけても返事をしない。
あいつは狐だ。
化かされるなよ。


自由詩 川に落ちる。 Copyright ブライアン 2010-05-01 00:24:03
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