花壇のころ
でこちゃん


荒れた土壌で生まれたからでしょうか
整った花壇で咲いている
美しい花に憧れて
ある日花壇に転がり込んだのです

初めての男の家でした

髪型 化粧 服装 言葉 動作
綺麗に見えないものは刈られて
整然と静かにしていることを命じられ
二十歳前の未熟さからか従って

5年の歳月が流れました

美しいと愛でられていたかというと
さみしいことに
花壇全体の体裁ばかり

触れるときも形のチェックばかり
名前を呼ぶこともしない
やさしく撫でてもくれない
それなのに咲かないと怒られる

それでもなかなか飛び出せなかったのは
荒れた土壌の方がこわく感じていたからなのと
経験もなく無知ゆえに
他へ行くあてを思いつけなかったからだ
と今はそう思っています

雑草にまみれて育っていたからでしょうか
刈られても刈られても伸びてくる根や芽
成長痛は日に日に強くなる一方

いよいよ切花として売り出すのに
ふさわしくなったと判断されて
根っこと切り離される直前になって
やっと死ぬ気で花壇を飛び出したのでした








自由詩 花壇のころ Copyright でこちゃん 2010-04-29 05:32:10縦
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