重ならない午後
朧月

池にほうりこんだ鏡みたいにキラキラ
お昼休みの太陽
君の髪もキラキラ

手前からとればいいのに
わざと後列から取るパンには
迷う手が示すように少しの罪悪感が見えるね

缶コーヒーのプルトップには
指先が必要だけど
僕らの話のきっかけには
一体なにが必要なのかな

終ってしまった時間をもう一度
取り返そうと眩い方をみたけど
やっぱり掴まえられなかったよ
風さえもう戻ってこなかった

寝そべってる猫みたいに
ほんとはもっと自由でいられるはずだけど
僕らはなくしてしまったんだ
時間と一緒に夢

飛んでった桜の花びらみたいに
どこへでもゆけたはずなのに
君の手を離してしまった僕の心は
なにによっても慰められないんだ

午後が始まろうとしている
僕も君もまた歩き出すんだ
その道って重なってるなんてわからないけど
眩しい方を目指して歩きたい



自由詩 重ならない午後 Copyright 朧月 2010-04-28 13:03:48
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