夜の糸口
朧月
眠れないとあなたが泣くから
夜の外を探しにゆく
たらりと垂れた夜の糸口が
あるはずだからそれを探しにゆく
ほんとうはあなたのそばにいたくないから
せっぱつまった顔で でてきただけ
せめていそいで歩いていれば
朝になるのではないかと思う
あの窓からあなたがのぞいてる
月でなく星でなく わたしをみてる
ぎゃあと猫がないた
こわくはないけど
忍び足をせずにいられない
眠れない夜の糸口は
あるのだけどわたしにはみつからない
わたしはいつも否定ばかりして
この世界を信じていないから
みえるはずはないのだけれど
とりあえずこの枯れ葉でももってかえろう
あの窓からあなたがのぞいてる
月でなく星でなく わたしをみてる
ことんと夜のときが動いた
わたしは悲しくはないけど
泣くふりをせずにいられない