夜の糸口
朧月

眠れないとあなたが泣くから
夜の外を探しにゆく
たらりと垂れた夜の糸口が
あるはずだからそれを探しにゆく

ほんとうはあなたのそばにいたくないから
せっぱつまった顔で でてきただけ
せめていそいで歩いていれば
朝になるのではないかと思う

あの窓からあなたがのぞいてる
月でなく星でなく わたしをみてる
ぎゃあと猫がないた
こわくはないけど
忍び足をせずにいられない

眠れない夜の糸口は
あるのだけどわたしにはみつからない
わたしはいつも否定ばかりして
この世界を信じていないから
みえるはずはないのだけれど
とりあえずこの枯れ葉でももってかえろう

あの窓からあなたがのぞいてる
月でなく星でなく わたしをみてる
ことんと夜のときが動いた
わたしは悲しくはないけど
泣くふりをせずにいられない


自由詩 夜の糸口 Copyright 朧月 2010-04-21 22:49:38縦
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