ぼくらの王国
吉岡ペペロ



せいぎちょうをつくったぼくは
せいぎのめんばーをそこにしるした
いちばんはぼくだ
しゅうぞう、はやと、そうた、たくみ、ぜんいんでごにんだ

三十年まえのジャイアンが歌謡ショーをひらきそうな公園に秘密基地をつくった
八百屋さんから盗んだ段ボールでつくった基地だ
日曜日お父さんを基地に連れていってあげた
お父さんは
宇宙人のともだちとつくったのか、と冗談を言ったのだが
ぼくはひどく傷ついて泣いてしまった

せいぎのめんばーはともだちだ
ぼくがりーだーでおれたちともだちだ
うちゅうじんはおれたちのてきだ

大人になって蹉跌の日々の続いていたあるとき
せいぎちょうを久しぶりに見つけた
それから何年か後ぼくはそれを詩のようなものにした
その詩には何人か的を得た批判があった
ぼくもこれでいいとは思っていない

ただぼくはいまも
ふざけていないし、しんけんだし、わすれないし、こわいものしらずだし、おもいついたことやわかったことをすぐいうし、

そうやって蹉跌の日々をあのころと同じ思いで
ぼくの王国をつくろうと生きている
その王国には、しゅうぞう、はやと、そうた、たくみ、はいないが
四十三人の仲間がいる


携帯写真+詩 ぼくらの王国 Copyright 吉岡ペペロ 2010-04-21 15:39:02
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