ワールド・ライト
tomoaki.t



重力の演奏が、あた  乾燥し、聖文字の様
りには散乱している、 に去勢された植物が、
カーテンが何かを隠  森のあちこちで絵を
し、塗り潰された色  描いているから、足
の部屋、大きく息を  を振って距離を取り、
吸い、自分勝手に、  引かれる髪にはむら
色をつけていく、そ  が生まれ、歩いた道
の時の右手の静脈だ  の残り香に、こども
けが、ただ赤い、温  が群がっている、夜
みを絶ち切られる、  が降りてきている、

雨降りの街で、鈴を付けたヒトに連れられる、
ジャンク・フードがそこいらで、再生されて
行き、あまもり、振動、頚動脈の触感、携え、
地下で心を失くし、エンドレスの、雨音、吹
き出してくる、波の泡と、どこかへ消える階
段、服のきれはしは、見事に踏みにじられ、
小児科の前で白服のヒトが演説をたれている、
鈴の音は、水てき浮く肌を打ち、遠きを近く
にして、踏み鳴らすおとさえ彩色に、豊かか
ら、獣がうまれおちて、子を生そうとする、

重力の演奏が、あた  乾燥し、聖文字の様
りには散乱している、 に去勢された植物が、
折り紙の手で、カー  タイルの脹脛に亀裂
テンを掻き分ける、  を入れ、その線記号
手から情報誌がぽろ  をこどもらに話して
ぽろおちて、それが  聞かせる夜、こども
蛾になる、部屋は水  らも植物も、何をも
浸しで、蛾が耳のな  怖がらないから、自
かに入り、なにもか  由時間の猶予を与り、
もが、綺麗だった、  つい、遊び惚ける、

雨降りの街で、鈴を付けたヒトに連れられる、
そのヒトが歩いた跡、打ち身めいた腫れが浮
かび、街は挨拶をしないヒトであふれた、急
患、と叫びゆくヒトは罪過を振り撒き、季節
の隙間に入っていく、卵黄をつぶして子供た
ちが遊ぶと、夕方になり、むしろ静まった空
は、軽業師のようだった、切れてゆく切れて
ゆく、から、繋がり、ぼくらが一斉に逮捕さ
れゆく夕闇に、街に除光液が降り頻り、身体
の冷えていく僕を、路地の奥で見つめる獣、




自由詩 ワールド・ライト Copyright tomoaki.t 2010-04-19 19:12:09
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