空の青く
プル式


抜けるような青空にはそうそう会えない
母の事を考えながらそんな事を合間に思う
父親になって思うのは
母に随分迷惑を掛けたのだと言う事
母は頼みもし無いのに鞄と人生をくれた
しかしその迷惑としか思えなかったそれらが
どれだけの重みを持って今を支えている事か

遠く山々が青く連なりながら引く境目
残雪の白さがまだ僕にあるだろうか
母の様に強い生き方が出来るなんて思えない
それでも父親で居たいと思うのは何故なのだろう
いつかその意味がわかる日が来るのだろうか
いつかその意味は伝えられるのだろうか

空は青く霞んでいる
僕は母の事を考えている
山々の青い境目に残雪が眩しく

眩しく

眩しく

母の人生を食い尽くした僕は
老いた母と妻と息子に食い尽されたいと
それが何故なのか言葉に出来無い。


自由詩 空の青く Copyright プル式 2010-04-13 14:41:55
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