スライス
朧月
今日の私をスライスして
全部並べたら
時間がみえた
未練の一枚を捨てよう
冬がすきだから
春がきてほしくなかった
白の季節が安心できたから
雲のような白に抱かれて
あなたがいないことなんて
忘れられた
くつを もってる
すべて並べてみよう
空気に触れさせて
生まれ変わらせる
私の足よ あのときの
さようなら
倒れそうなスライスされた私
風にゆられながら
くすりと笑う
どんなに薄く切っても
ほらね 全部 私
ねぇ 君に見えるでしょ
ぺらぺらして へらへらして
そんな私の中の
未練を今夜捨てる