ひとつの景色
あぐり



なんにもないとおもっていたあのころが
いちばん
うしなうことをこわがっていた
わたしの手に
だれかが触れる
小さなやらかい繋がりが
ほしがればほしがるほどとおくなる

もとめていることを知られたら
それはもうえいえんにもらえないんだって

なんだかそんなことを考えて
いつもあるいていた夕暮れに
赤すぎる空はわたしの
たったひとつの憧憬でした






自由詩 ひとつの景色 Copyright あぐり 2010-04-01 20:01:10
notebook Home 戻る  過去 未来