洪水警報
ぽこぽこへッへ
生ぬるい風が吹いている
曇りの日だった
男はごわごわした髪を女に触らせた
「ふわふわ」
女は思いつく限りの形容詞で褒めた
遠くで猫が鳴いている
程無くして男女は別れたが
男は自信がついた
紫煙は立ち昇った
アルバムには灰が落ちた
遠くで猫が鳴いている
紫煙は立ち昇った
女は胎内で詩を書き続けなければと思った
男は着なくなったユニクロのフリースをどうしようか悩んだ
アルバムには灰が落ちた
遠くで猫が鳴いている
雨は降っていなかった
猫達が濡れることも無かった
生ぬるい風は吹いている
自由詩
洪水警報
Copyright
ぽこぽこへッへ
2010-04-01 15:50:15