相羽 柚希

一つの幕をおろす
桜の花は未だ咲かず
雪解けは進まない

空港に響く足音
旅立ちの喧噪
去り行く背に手を振って
君の影が滲んでいく

一つの幕がおりる
桜の花は未だ咲かず
雪解けは進まない

別れは始まり
スタート地点に立てない僕は
去り行く君に手を振って
応援席の観客にしかなれないから
笑って、言うよ
またね!行ってらっしゃい、って。

一つの幕開けに
桜を咲かせよう
残雪は未だに滲むけれど

ごめん

本当は
すごく


さみしいんだ。


自由詩Copyright 相羽 柚希 2010-03-24 07:37:14
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