2010/2/27
鎖骨




水を飲むように
音楽を採る
人は 僕はもっと音を聞くようにならなければいけない
ピアノの
ギターの
あらゆる楽器の
そのものの音と感触
とてもおおきく広く多角的に偏在するよう
冷たくも暖かくもなく雨が降っている



本がある
開けば頁があって
空白がある、そこには音が
入っていく、入っていって
音律も譜面のあらゆる縛りもなくそれらは
声を出し身をふるわせて
それを受けいれて見逃さないことに僕は
ただ夢中になる
空を見なくとも陽が差してきたことに気付く
音と交わって沁みていく狭い部屋に
雨が降っている
あたたかくも
つめたくも
硬くも柔らかくもなく
僕は整理される
現実を受け入れる
湯を沸かし
コーヒーを淹れる準備をする
生活費を工面する
今日明日で部屋を掃除して
新しい月を迎えるための表情をつくろう






自由詩 2010/2/27 Copyright 鎖骨 2010-02-27 07:09:43縦
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