冷たい図工
黒川排除 (oldsoup)

ウェーブしたものをつくりたいと思ったことはあるか。わたしは、ある。それはまず滑らかでなくてはならないだろう。日差し例えば、うたたねをする準備ぐらいあってもいいだろう例えば、枕ぐらいあってもいいだろう。矢印のひだは良くできているからそれを手本にする。素材は何か、素材は紙で作る。できれば昔からのものがいいが、昔といってもどれぐらいだろう。さしあたって目を閉じて思い浮かぶものではない。解明のために直感で庭を掘り返すべきだ。無ければ庭から作る必要すらある。ただしその場合霊能力者があたりをうろついて何か喋っているだろう。タクシー代を出してやる必要があるかもしれない。とにかく彼らがアーと言ったら注意することだ。極めていびつな鈍器を探す必要が生まれるから。色は鮮やかな黄緑色に塗る。昔からビリジアンの響きが好きな人にはちょっと難しい。血の色が大好きな人にはかなり厳しい。それ以外なら易しい。最後にニスを塗った方がいいかもしれない。マヨネーズでも良い。ただしその場合ヘラではなく素手で伸ばすこと。ヘラが汚れる。以上をもって完成とする。
投げると無くなる。園児に見せると踏みにじられる。警察官には無言で撃たれる。思えば短い人生であった。


自由詩 冷たい図工 Copyright 黒川排除 (oldsoup) 2004-09-28 02:11:50
notebook Home 戻る