たくさんの双子
チアーヌ

おじいちゃんが双子だったの
やさしいおじいちゃんだった
あなたも双子なの?偶然ね
ねえお兄さん連れてきてよお兄さん
弟なの?まぁそんなのどっちでもいいよ
さあ、天井を眺めて、あ、空か、
ここ外だからね
空は青く見えるね、そうじゃないときもあるね、
でも良く見てると嫌になってくるの
外でするのは好きじゃないの、痛いし、わたし肌が弱いから
できることなら中でしましょ、そう中で、中で、中でね
いやべつにどこでもいいよ
でも
できれば毛布くらい敷いて欲しいなあ
ねえ
あなたが吸血鬼だったらいいのにな
一度死んで吸血鬼になれたら
どんなに幸せだろう
ああでもほんとはわたし一度死んでるの
今、死んでるのよほんとは
死んでる最中
ねえだからたくさんやさしくしてあげる
たくさん
だからあなたもやさしくしてね
あ、でも双子は好きなの
大好き
いつも双子ばっかりだよ
俺は双子だよって言われたら
わたしすぐにOKなの
でも、もうひとりの方には一度も会ったことがないの
いつもひとりだけよ、でもみんな双子だって言うの
みんな言うの
みんな
おじいちゃんの弟も
見たことなんかない
全部嘘だったのかな
みんな嘘ついてたのかな
なんか、
さびしい


自由詩 たくさんの双子 Copyright チアーヌ 2004-09-27 22:18:52
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