労働社会を考える
番田 

釣り上げることのない魚体の姿として描いている
川の向こうには
年明けの空に霞んだ都庁舎が見える

部屋にキャンバスもアクリル絵の具も満足に揃っていない
この国で給料をもらい続けていたのだろうか 労働者として何も愛国心をなくして
ひとりのランナーだった気がする

友達とすら談笑することのない年月を2月の江戸川の乱反射と同化したい
何もない河川敷で貸しボート屋のマネをしてみる

僕は金持ちではなく 月曜日の駅前のビルには犯罪者のような人々が這いずり回り
哲学は 張り巡らせられた電話回線に乗って
携帯電話は 深夜の地下室に鳴り響いているのだろうか


自由詩 労働社会を考える Copyright 番田  2010-02-15 01:16:46
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