忘れられた女
チアーヌ
覚えていますか
と
問いかけるのは怖い
そして無意味だ
わたしはあなたにとって
最初から存在しなかったと
同じなんだと
確認したところで
一体なんになるだろう
覚えていますか
と
尋ねたくなったときは
それは飲み込んで
「わたしは覚えている」
と
それだけを思う
ことにしてる
傷つかない
ためじゃなく
事実を確認するため
あなたがわたしを忘れようと
わたしはここにいるのだ
と
ぐらぐらする地面に
腹這いになって
冷たい地面の奥の
熱を必死に求める
たとえ冷たいままでもいい
このまま凍えてしまっても
求めている
ことだけが
わたしを救ってくれる
もう何もなくても
あなたがわたしを忘れても
わたしはもういなくても
自由詩
忘れられた女
Copyright
チアーヌ
2004-09-27 09:19:00