戻る日
テシノ

ふと そっと
戻る気がして
よみがえる温度が
足にいつでも釘を打つ

約束とは記憶
言葉でできた格子

だがそこに
自分を残し
置き忘れては
出掛けていけない

連れ立つのは夕陽
長く伸びる影

人は不思議だ
本当に不思議
形ないものにさえ
重さをあたえて

動くのは心
佇んでいる体

宇宙はいつか
膨張しながら
はじけてしぼみ
時間を巻き戻すという

もしかしたら
また会う時は

一人また一人と
あの場所へ戻る日
そして最後は
知らない人になっても

別れから始まり
出会いで終わるのならば


自由詩 戻る日 Copyright テシノ 2010-01-26 15:25:23
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