こんにゃく(いち)
たもつ

 
 
テーブルの上に
こんにゃくがある

窓の外では
桜の花びらが少しずつ
風に散っている

白い磁器の皿にのせられたまま
誰に忘れられたのか
いつまで忘れられるのか
蒸発した水分の量だけ
その身を軽くしながら

敷地内の停留所
こんにゃくにも忘れられた
夜勤明けの僕が
駅までの巡回バスを待ってる
 
 


自由詩 こんにゃく(いち) Copyright たもつ 2010-01-24 13:22:40縦
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