爪の血まめの治り方
海里

シリウスが西へ傾くのが
日一日と早くなるにつれ
少しずつ膨らんでゆくソメイヨシノ
ですからあれは天狼桜

あちこちでは
星の瞳も瞬き始めています
オオイヌノフグリ、天人唐草

目を凝らすほどの花々は
やがては芝桜前線に連なり
じきに大海嘯が寄せて来ることでしょう

詩の肢体と姿態について
ついつい考えてしまうような春宵
今はまた見かけなくなったノラにゃんが
みたび姿を見せるでしょうか

苗代の苗のような進入生たち
小さな石と水晶の少年少女たち
片すみだったスミレたちがいつのまにか
あふれんばかりに咲きだす頃には


自由詩 爪の血まめの治り方 Copyright 海里 2010-01-15 22:19:19縦
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